サスティナブルファッションとは?企業の取り組みからエシカルファッションとの違いまで解説
近年、サスティナブルという言葉が注目されています。サスティナブルとは持続可能なという意味で、持続可能な環境づくりのために様々な取り組みが行われています。その中でも注目されているのがアパレル業界でのサスティナブルな取り組みです。近年のファッショントレンドにサスティナブルファッションがランクインされておりますし、アパレル企業もサスティナブルを意識した服作りを行っています。
今回は、そんなアパレル業界のサスティナブルについて詳しく解説します。
アパレル業界におけるサスティナブルの考え方
アパレル業界においてサステナブルの考え方とは何でしょうか。
サステナブルとは「持続可能な」という意味で、環境に焦点を当てたものをいいます。そのため環境に良い服を着用することや服作りを行うことで、地球の未来を守るという考え方です。
従来のアパレル業界では、安価な商品を大量生産し、売れなかったものは大量廃棄するという背景がありました。様々な企業がこのままの方針ではいけないと考え、環境を配慮した服作りを始めたのがサスティナブルファッションの始まりです。
アパレル企業が行うサスティナブルファッションについての取り組み
では、具体的にアパレル企業がどのようなサスティナブルな取り組みを行っているのでしょうか。アパレル企業が持続可能な社会を実現するために行う取り組みがいくつか存在します。ここではその中でも、5つの取り組みについて紹介します。
オーガニックな素材を使用する
オーガニックとは有機栽培のことです。有機栽培によって作られる素材は、農薬を使用しないため環境にやさしい素材です。オーガニックな取り組みは、農薬以外にも保存料や着色料を使用しないため健康にも良いといえます。
再利用された素材を使用する
ごみの大量廃棄が問題視されている現在、再利用された素材を使用した商品を販売する企業が増えてきました。ペットボトルをリサイクルした生地や植物系の再生レーヨンなどが使われています。
動物の皮や毛を使用しない
動物の皮や毛を使用しない取り組みも、アパレル企業が行っているサスティナブルな取り組みの一つです。最近は本革のような風合いを持つフェイクレザーが流行っており、動物たちの生態系を壊すこともありません。植物由来のフェイクレザーであれば、さらに地球に優しいといえます。
フェアトレードを行う
フェアトレードとは公正取引のことを指します。従来はコスト削減のため、発展途上国の労働者が低賃金で確保されているケースが多くありました。労働者にとって不利益にならないように正確な賃金を払うこともサスティナブルな取り組みといえます。
受注生産を行う
受注生産とは顧客から注文を受けてから生産をする形態のことを指します。廃棄物が出る可能性がある見込み生産とは違って、受注生産は廃棄物がゼロに近いといえます。
サスティナブルファッションの素材を知る
アパレル業界におけるサスティナブルについての理解を深めるためにも、素材について知る必要があります。主にコットンのような自然素材がサスティナブルな素材だと考えがちですが、最近は技術の進歩により、サスティナブルなプラスチック素材も存在します。ここでは、サスティナブルな素材の例をいくつか紹介します。
オーガニックな素材
日光や水、土地などの自然の恵みから栽培された植物性素材はサスティナブルだといえます。例としてオーガニックコットンやリネン、麻が挙げられます。地球にやさしいだけでなく、肌触りが良いため低刺激性という特徴もあります。
植物系再生繊維
植物系再生繊維とは、パルプや綿花のくずからセルロースを抽出し溶かして繊維にしたもののことを指します。例としてレーヨンやキュプラなどが挙げられます。微生物によって分解されるため、焼却してもほとんど有害物質が発生しないという利点があります。また、吸湿性にも優れています。
地球にやさしいプラスチック
プラスチック=環境破壊とイメージしがちですが、技術の進歩により地球にやさしいプラスチックが開発されました。生分解性プラスチックといい、自然分解されるプラスチックのことです。分解されることによって二酸化炭素と水に変換することができます。
またバイオマスプラスチックという素材も存在します。サトウキビやトウモロコシを原料にしているため、石油を使用せず温暖化対策につながります。
エシカルファッションとサスティナブルファッションの違い
サスティナブルファッションと似たような言葉にエシカルファッションという言葉が存在します。エシカルファッションのエシカルとは、「倫理的な」という意味で社会や人権などに対して倫理的に行う取り組みのことを指します。そのため、エシカルファッションとは社会的な問題を考慮したファッションのことです。
上記のことから、エシカルファッションは社会に目を向けたファッションであり、サスティナブルファッションとは環境に配慮したファッションといえます。
私たちもで実践できるサスティナブルファッションへの取り組み
アパレル企業以外に私たちもサスティナブルな取り組みがあります。私たちが一人一人が、ファッションにもサスティナブルな取り組みを取り入れることで地球の未来を守ることができます。
永く使用する
ファッションが引き起こす問題の一つとして、短い期間の服の廃棄が目立っています。このような廃棄を防ぐためにも、永く使用する取り組みが必要になります。
トレンドに左右されていないベーシックなアイテムや上質なアイテムを購入することが永く使用するためのコツになります。
着なくなった服はリサイクルショップへ
皆さんのご家庭にも着なくなった服がたくさんあるのではないでしょうか。そんな服たちをリサイクルショップで売ることで、服の廃棄防止にも繋がります。また、経済的ともいえます。
環境に配慮した素材の服を購入する
環境に配慮したした素材の服を購入することで、我々消費者も環境問題の解決に貢献することができます。最近は様々なブランドがサスティナブルな素材の服を販売しているためチェックしてみてはいかがでしょうか。
サスティナブルファッションとSDGsの関係性
2015年、国連サミットでSDGsという持続可能な社会にするための17の目標が発表されました。17の目標の中でもファッションと関係性が深いものがあります。それは12番の「使う責任。作る責任」です。消費者側は使う責任を持ち、企業側は作る責任を持つ必要があります。具体的に、消費者は一度買ったものはすぐには捨てずに永く使用し、買ったものに責任感を持つこと。企業は利益のみを考えず、環境に配慮した製品を製造することで作る責任を持つことが挙げられます。
まとめ
近年、アパレル業界が世界で二番目に環境破壊を引き起こす産業だといわれています。主な原因として売れなかった服の大量廃棄や莫大な水の使用が挙げられます。企業だけでなく一人一人がサスティナブルを意識したファッションすることで、環境破壊を防ぐ活動の一つになります。ファッションの力で地球の未来を守ってみてはいかがでしょうか。
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