2021年04月22日

お手入れを行うことで、革の魅力を引き出す。経年変化を楽しめる、愛着の湧く革財布へ。

革製品の魅力といえば、何と言っても革のエイジングです。そんなエイジングを最大限に引き出すには、お手入れが必要。お手入れをしていくことで革に色や艶に深みが増していくため、愛着が増していくはずです。
今回紹介するのは革財布の手入れ方法です。財布は、使用頻度が高いためお手入れの方法が他の革製品とは異なります。

お手入れをしっかり行うことでエイジングを楽しめ、愛着の湧く革財布へと変化します。

味のある革財布にするために。月1回のお手入れを。

革財布は使用頻度が高いため、お手入れの頻度について分からない方が多いかもしれません。
革財布のお手入れをする頻度の目安としては月1回です。財布は手で触る機会が多いため、当然手汗でシミができたり、手垢で汚れてしまいます。そのため、ある程度の頻度でお手入れをすることが好ましいです。
しかし、一か月過ぎてもしっかりと艶があるようであれば、もっと期間をおく必要があります。というのも潤いのある財布にクリームを塗ってしまうと、カビなどの原因になってしまうからです。そのため、お手入れをする際には、革の状態を確認することが重要です。

これだけは持っておきたい革財布のお手入れグッズ

革財布の手入れに必要なアイテムは以下の通りです。
・革クリーム
・馬毛ブラシ
・クロス(柔らかい布)
・防水スプレー
これらのアイテムは、革財布を長く使用するにあたっての必須アイテムです。それぞれのアイテムの使用方法については、下記の革財布の手入れ手順で説明します。

馬毛ブラシ以外にも豚用ブラシなどがありますが、リーズナブルで汎用性の高い馬毛ブラシがおすすめです。また馬毛ブラシは毛先が柔らかいため、革を傷つけないのが特徴です。

基本的な革財布の手入れ手順

革の手入れに関して、難しいとイメージしている方が多いと思われます。しかし手順は簡単で、あまり難しいものではありません。ここでは初心者でも簡単にできる革財布の手入れ手順を紹介します。

基本的な革財布の手入れ手順①汚れ、ほこりを払う。

まず、革財布の中身に入っているカードや小銭を取り出します。財布の中身が空になったら、柔らかく乾いた布や馬毛ブラシで汚れ、ほこりを落としていきます。特にスキマには埃が溜まりやすいので念入りに払う必要があります。また布やブラシで手入れする際は、革を傷つけないよう優しく手入れすることが重要です。
埃が残っている場合には、次のクリームを塗る工程で革を傷めてしまうので注意が必要です。

基本的な革財布の手入れ手順②革クリームを塗り込む。

汚れ、埃を払うことが出来たら、革クリームを塗る工程に入ります。革が悪くなってしまう原因の一つとして、革の油分がなくなる点が挙げられます。革の油分が無くなると乾燥が進み、色褪せてしまいます。そこで油分が無くなることを防いでくれるのが革クリームです。
クロスに米粒程度のクリームをとり、円を描くように薄く塗っていくことがポイントです。大量に塗ってしまうと、シミやカビの原因になるので注意が必要です。
財布の溝や縫い目はクリームが溜まってしまうので、クロスで余分なクリームを拭き取ることが重要です。

基本的な革財布の手入れ手順③革クリームを乾かす。

革クリームを塗り立ての状態では指紋などがついてしまうので、乾かす工程に入ります。風通しの良い日陰で約1~2時間程乾かします。このときドライヤーを使用してしまうと、ひび割れなどの劣化の原因になってしまうので注意しましょう。

基本的な革財布の手入れ手順④乾拭き・ブラッシングをする。

クリームが乾いたら乾拭きを行います。乾燥しきれなかったクリームを拭きとったり、乾燥中に付着した埃を払うためです。
乾拭きの後にブラッシングを行います。ブラッシングを行うことで艶が生まれてくるので、味のある財布に仕上がるのです。

基本的な革財布の手入れ手順⑤防水スプレーを吹きかける。

最後は防水スプレーを吹きかけます。防水スプレーには水や汚れをはじく効果があるので、革財布を守ってくれます。
防水スプレーを吹きかける際は、30cm程離して使用してください。近すぎると一点にスプレーが、塗布されシミになってしまうので注意が必要です。
防水スプレーをまんべんなく吹きかけたら、自然乾燥させます。
完全に乾燥したら革財布のお手入れは完了です。

黒ずみや傷、色落ちができてしまった時の対処法

革製品のトラブルで黒ずみや傷、色落ちといった点が挙げられます。これらのようなトラブルは先ほどとは違う方法で対処しなければいけません。

黒ずみや傷、色落ちができてしまった時の対処法①「革専用のクリーナーや消しゴム、マニキュアを使う」

先ほど紹介した革財布のお手入れグッズ以外に革専用のクリーナーや消しゴム、マニキュアを使用すると良いです。下記では黒ずみや傷、色落ちの対処法をそれぞれ紹介します。

【黒ずみ】
黒ずみの原因として挙げられるのが、手垢や摩擦です。定期的なお手入れを怠ると、手垢や摩擦が積み重なって黒ずみになってしまいます。
対処法として革専用のクリーナーと消しゴムの二つが好ましいです。
革専用クリーナーで汚れを浮き上がらせ、柔らかい布で拭きます。それでも汚れが取れないようであれば、革専用消しゴムで優しく黒ずみを取りましょう。
黒ずみを取り除いた後は、念のためクリームを塗ることも忘れずに。

【傷】
基本的に傷の手入れは革用クリームやブラシで手入れが可能ですが、それでも傷が目立つ場合は革用マニキュアが好ましいでしょう。使用方法は傷の箇所に少量のマニキュアを塗り、クロスやブラシでまんべんなくなじませます。その後、しっかりと自然乾燥をさせます。
しかしこの方法は、革財布の色とマニキュアの色がほぼ同じでないとマニキュアの色が目立つので注意が必要です。

【色落ち】
色落ちの対処法は傷の対処法と同様、革用マニキュアが好ましいです。色落ちしている部分に革用マニキュアを少量塗り、クロスとブラシで色落ちが目立たなくなるまでなじませます。

黒ずみや傷、色落ちができてしまった時の対処法②「重度の傷がある革財布は革専門の店舗へ」

個人の力では手入れできないほどの傷や黒ずみなどがある場合は、革専門のお店に相談した方が良いでしょう。細かい箇所まで丁寧にお手入れをしてくれるので、満足のいく仕上がりになります。

革財布のお手入れをしないとどうなるのか。

革はタンパク質の繊維の集合体です。そのため、人間の手と同じように乾燥するとカサカサになってしまいます。乾燥してしまった革は、ひび割れが生じボロボロになります。そのまま放置してしまうと、小銭入れなどの部分が破けて財布としての機能がなくなってしまいます。
人間の皮膚と同じように油分を与え、乾燥を防ぐことが重要なのです。

まとめ

革製品はエイジング以外にも、自分の手でお手入れすることで愛着が湧いてくるのも魅力の一つです。
これを機にあなたが持っている革財布をお手入れし、味のある革財布にしてみてはいかがでしょうか。

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